今、中国では陽明学がブームだという。
正直、半信半疑であった。
またまた、大げさに言って、
そうであったら嬉しいなと思うけれど、
ブームというのは大げさでしょ?
そう思っていた。
陽明学に自分がハマっているから、
そういう言葉が目につくんじゃない?
そうに違いないと思っていた。
でもどうやら本当にブームのようだ。
半年ほど前、中国に行った際、
2つほど書店に立ち寄ったのだが、
どちらにも陽明学系の書籍が、
棚置きされているのだ。
いずれも大きな書店ではない。
一つは、空港の待合スペースにある、
小さな書店である。
本当にブームが来ている。
ドッキリなければブームというのは本物だ。
一昨年、習近平が公にこう発言した、
「陽明学は我が国の宝だ」
この手の発言はその後、
幾度かされている。
それまでも一部の知識人の間で、
陽明学が注目されてはいた。
それが習近平の言葉で、
ブームにまでなったと思われる。
正和島という経営者団体がある。
上場企業クラスのトップばかりが参加する団体だ。
例えるなら、
日本の経団連とか、盛和塾とか、
そんなような感じだろうか。
その正和島の経営者は、
みな陽明学をこの2、3年で学んだというのだ。
今、1月か2月に1度くらい、
中国の経営者向けにセミナーをさせていただくのだ、
実感として、陽明学の考え方や用語は、
特別な説明なしに通じる。
これは本当、喜ばしいことだと感じる。
陽明学は中国で生まれたものである。
それは人が私欲にとらわれ、
バランスを崩した社会を正常にしていく叡智だ。
今の世界の中で、
中国が陽明学をやるというのは、
非常に意味があることだと思う。